特集 -Special-

新興市場(BOP)ビジネス・シンポジウム(その2)
-バングラデシュの社会情報基盤(SII)を参考として-
九州大学アシル准教授の基調講演より

(2014/03/20)

新興市場(BOP)ビジネス・シンポジウム(その2)「援助よりビジネスを」とアシル先生
続いて、九州大学で情報学担当のアシル・アハメッド准教授が基調講演を行いました。アシル先生はBOPという言葉よりもURP = UnReached People という表現の方を好んで使うそうです。Base of Piammid よりも"未だ到達していない人々"のほうが語感がよいらしいです。今はまだまだでも、いつか到達しそうな感覚が前向きさを表すと言うことなんでしょうね。ちなみにここでは諸事情からBOPで通させていただきます。 m(_ _)m

BOPについて、満たされない膨大なニーズ(金融、医療・保険、教育、水など)、市場アクセスの制限(インフォーマルセクターへの依存か自給自足のため)、BOPペナルティ(基礎サービスを得るためには富裕層よりも高額の出費が必要)などの特性が、紹介されました。しかし、グラミン銀行(グラミンとは農村の意)のように、農村部の貧困層を対象に無担保でマイクロファイナンスを実施することにより、BOPの人々への金融サービスへのアクセス機会を提供し、BOPの人々がローンを借りることによりビジネスを始め、またローンを返済できることを実際に証明してみせました。これにより、グラミン銀行と創設者ムハマド・ユヌス氏はノーベル平和賞を受賞しました。グラミン銀行は、現在はバングラデシュだけでなく、インドや南アフリカにもビジネスを展開しています。

米国民も7人に1人の割合でBOP層に該当する人々がいるそうで、彼らに対しビジネスを提供していることも紹介されました。二宮尊徳の言葉「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」を紹介され、これがBOPビジネスにも共通して言えることで、「BOPは貧しいからお金を返せない」「BOPは学歴がないから先端技術を使えない」という間違った情報や概念ではなく、正しく認識することが大切だと力説されました。インパクトがありましたので、もう1度紹介します。

(皆さんご存知でした?)道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である!

なお、アシルさんは、グラミンファンドの協力を得て、九州大学とグラミングループの共同事業として情報基盤構築(グラムWEB)、医療分野(ポータブル・ヘルス・クリニック)、農村モビリティ(グラムCar)などの事業に取り組んでおり、今後ビジネス化を目指していきたいとのことでした。BOPには「援助よりビジネス」が大事、というのがアシルさんの主張でした(私自身も、バングラデシュ訪問時、学校へ行かずお金をせびる子供たちを見て、学校へいって勉強することが自分のためになる。物をもらうのではなく、わずかでも稼いで手に入れることが将来のためになると感じました)。

アシル先生の基調講演スライドは、ここで閲覧可能となっています。
バングラデシュ風景1バングラデシュ風景1
バングラデシュ風景2バングラデシュ風景2
援助よりビジネスを!援助よりビジネスを!