コラムと事例 -Column & Case Study-

海外生活をはじめるにあたっての外国語会話

(2013/08/01)

☆英会話はスキルよりコンテキスト
海外赴任をした当初、語学力に自信が持てず、話すこと自体が苦痛でした。
そこで、相手が何を話したいのかを先読みし、仮説のストーリーを作ってから話しをすることを習慣づけるようにしました。難しい言い回しや表現になりそうな時は、言い換えて話すことをシミュレーションしているうちに、実際の会話の中で相手が興味を持って聞いてくれるようになり、自信につながってきました。私の英語史の1ページです。

☆会話は気合だ!
アジアのある国に出張した時のことです。週末に時間があったので、友人の誘いで、郊外の観光施設を訪れました。
するとちょうど日本人の団体客に遭遇。ほぼ同じペースで見学を終えたのですが、出口付近の土産物屋さんはこの団体さんでいっぱいです。それも、あの日本のおばちゃん軍団です。円高に便乗して旅費を取り戻さんとするかのごとく、それはそれは買いあさる、のです。
店員さんとの会話に耳を傾けてみると、「ねえ、お兄ちゃん、これいくら?ハウマッチ?サイズ他に無いの?ビッグ、ビッグ!」片言の英単語が交じるものの、大半は日本語。
一緒に行ったとなりの友人を見れば、一生懸命正確な文法で話しかけているものの、自信なさげにぼそぼそしゃべっているせいか、何度も店員に聞き返され、思うように買い物が進まない始末です。
「ああーぎょうさん買ったねー。お土産買えてヨカッター!」おばちゃん軍団は最後まで日本語で満足げに去っていきました。

☆とりあえずイエスは危険
日本人にありがちな行為として、とりあえず「Yes」と答えるケースを良く見かけます。しかし、これが意外に危険です。英国へ赴任した当初、休暇をとって観光地を訪問。地元の観光バスに乗りました。
ある駐車場で下ろされ、自由行動となった際、ピックアップする場所がこの駐車場から10分ほど離れた別の駐車場と説明を受けたらしいのですが、30分後の集合時間しか聞き取れませんでした。まあ30分後に戻ってくれば良いだろうとタカをくくって「Yes, Yes」と返事をして降車してしまいました。
それから30分後誰もいない駐車場で一人途方に暮れる私がいました。
読み書きはある程度できるけど会話はちょっと…という日本人は少なくありません。国民性もあるのでしょうが、一般的に日本人は外国語会話が苦手です。
正しく話さなければいけないというプレッシャーがどこかにあるのでしょうが、逆の立場を考えてみましょう。外国人がつたない日本語で話しかけてきた場合どうしますか?
恐らく一生懸命理解してあげようと努力するでしょう。決して文法的な間違いや用法の誤りを指摘したり、論ったりしないでしょう。
場合によっては、きちんとした文章で言われるよりも、直接的に単語だけで言ってもらった方が分かりやすいこともありますよね。これは外国語も同じことです。口に出す癖を身につけることで、自然に重い口が開くようになりますよ!

グローバルビジネスハンドブックより