ダイバーシティの時代です。ダイバーシティと言えば、ジェンダー絡みのことを思い浮かべる方が多いと思いますが、グローバル化の時代、周りで働いている外国籍社員の方、一見して違いの分かる欧米、中東、アフリカ諸国の人たちだけでなく、外見だけでは区別のつかないアジア諸国の人たちも、文化・習慣など内面的には日本人と大きく異なっている点が少なくありません。
そうは言っても日本企業に勤めようと考える外国籍社員、日本で学んだ留学生、「日本の良さを理解し、日本が好き」と言う良き理解者のはずです。
一歩外に出れば「日本の常識・世界の非常識」などと叩かれ、理解されにくい「本当は優れた日本の常識」をきっとうまく海外に伝えてくれる架け橋になってくれるはずだ、と期待している日本人は少なくないのではないでしょうか。
でも、本当のところはどうなのでしょうか?
外国籍社員は日本人社員の働きぶりをどう見ているのか、聞いてみました。
題して「外国籍社員に聞きました、日本の常識、世界の非常識」。
さぁ、これを読んで、皆さんどうお考えになりますか?
終身雇用の良い点は、雇う側も先行投資的にじっくり育成し、将来大きく成長してくれることを期待出来る一方、雇われる側も滅多なことで失職することもなく、着実に実力を育み、長期的視野で人生設計を考えることが出来ます。
そのことが組織に対する帰属意識や仲間を大切にする意識に繋がり、「会社に対する忠誠心」と言う強みに結びついています。
こうした点は、外国籍社員も長所として評価しています。
しかし一方で、
- 年功序列を軸とした上下関係や長いものには巻かれろ式の処世術、ハイリスク・ハイリターンなチャレンジを避け、無難な仕事を数多くこなしたり、長時間・仲間と助け合いながら職場で過ごすことで、膨大な量の仕事を処理しているように見せることが高い評価や収入に結びつきやすい。
- 自分の意見や提案をするよりも、言われたことを確実に卒なく処理することが組織にとっても自分にとってもプラスに思える。
と言った内向き志向に結びついているとも言えます。
世界的な趨勢に照らしてみれば、「一定時間内にどれだけの成果を出したか」を問われる成果主義・実力主義が主流の中で、外国籍社員は内心「このままで良いのか?」と言うジレンマを抱えているのかもしれません。
かつてJapan as No.1と言われた時代に日本の終身雇用制度は優れた経営手法として世界から評価されました。
あれから30余年、今や実質的な終身雇用制度は既に崩壊したと言う方もいますが、まだまだ我々日本人の意識の中では、会社中心の生活があり、社会が存在します。外資系企業ではキャリアパス、キャリア獲得は自己責任、目的が個々の仕事に直結するものであれば、個人の努力に対する支援は惜しまないと言う発想に対し、日本企業は会社が手厚く全社員を平等に育成する発想です。
グローバル化、ボーダーレス化、自由化と言ったもはや誰も止められないこの潮流の中で、日本経済の浮沈にもかかわるような大きな課題ではありますが、個々の企業にとっても、個々の社員にとっても、大きな転換期を迎えていることが、今回の外国籍社員の意見の中に映し出されていたように思います。
自己紹介をする時、「自分は勤続何年」と言うことが外国人にはどう映るのか?
自身の市場価値を考える時、自社以外、日本以外で同じ価値を認めてもらえるのだろうか?
と自問自答する必要性を感じています。