だいぶ報告が遅れてしまいましたが、バングラデシュ・ダッカへ出張してまいりました。個人的にはダッカへは9年ぶりの訪問となります。
以前にこの街へ来たときは、率直に言うと貧困国という印象でしたが、今回来てみて「普通のよくある途上国のレベルまで来ている。活気があり、順調に発展している」と感じました。さすがに将来性のある国 NEXT 11にとりあげられたのも頷ける、と感じました。
9年前の印象というのは、正直に言うと次のようなものです(バングラデシュ関係の方、もしこれを読んでもあまり気を悪くしないで下さい)。
- 人が多く、裏路地などはあまりきれいではない
- 物乞いの子供がお金をねだってくる
- 私と同行していたシンガポールのT氏は「お金が欲しければ、まず学校へ行って勉強することから始めなさい」と諭していた。
- 時間があるときに観光しようにも、特段何もない。ダッカ大学の庭と、カントリーサイドの公園には美しい花が咲いていた
- 遠く(バンコクか、シンガポールか、KL経由でないと行けない)、時間がかかる。
今回の訪問では、最後の2つ、「観光地がない」「遠い」は変わっていませんが、他はだいぶ変わったと思っています。
まず物乞いに囲まれそう?と思ったことはありませんでした。
ただし、帰りの空港で、空港職員(正規職員?)が、外貨のチップをくれとかなりしつこく言ってきました。これが一番印象悪かったです。一部の空港職員でしょうが、外国人(特に日本人?)には必ずねだってくるようなので、ダッカ空港から帰国する時は十分気をつけましょう。もちろんチップをあげる必要はありません。
またダッカ市内ではタクシーは基本的にはあまり使えません。渋滞がひどく運賃がいくらになるかわからないからです。それに流しのタクシーはあまり走っていません。リーズナブルな値段で運転手付きの車を借り上げられるので、移動が多い場合はタクシーよりもこちらを使ったほうが良いようです。
バングラデシュの発展状況を表す写真の一枚。ビルと隣接するスラムです。スラムが次々とビルに建て代えられ、このあたりの景色は10年後には一変すると考えられています。
ところで、私たちをあちこちに連れて行ってくれたミニバンの運転手、なかなか抜け道に詳しく優秀なドライバーだったのですが、朝渋滞をさけるため一方通行を「逆行」していました。いや、狭い一方通行路をちょっと次の路地まで、というのだったらまだわかりますが、片側3~4車線の大通りを、1ブロック(50m程度)ですが、堂々と逆行していきます。対向車(普通に走ってくる車)の台数が少なく、割と空いているのがわかっていたからなのでしょうが、私としては「映画のカーチェイスシーンのように対向車を(対向車も)避けながら直進する」を初体験しました。
2台の車に分乗して活動していたのですが、後発であるにもかかわらず2日間とも先発の車より10分ほど早く目的地のビルに到着していたので、ドライバー本人は鼻高々でしたし、私たちも感心しました。1ブロック50m程度の逆行で10-15分程度の節約になるということは、普通に道を走ると100m進むのに10分程度の渋滞にはまってしまうということのようです。
下の写真は渋滞を抜けたところにある旧ダッカ空港近辺の道路です。旧ダッカ空港は、昔、赤軍派による日航機ハイジャック事件の舞台となってしまったことがあります。
こちらはソフト会社の開発現場風景。暗証番号式のドアキーによる入退室管理が行われていました。ダッカで一般的なスマートフォンは、日本では2年前のハイスペックモデルといった感じでしょうか。1.2GHzマルチコアのプロセッサー、1GのRAM、8Gのストレージ付きのアンドロイド端末が1万円程度で買えたりします。部品を中国から持ってきて、バングラディシュ国内で組み立てているそうです。シンフォニーとかハーモニーといった名前のアンドロイドスマホを使っていました。
ダッカ大学新卒のプログラマーのサラリーが月200ドルという話しを別の記事で紹介していますが、即戦力プログラマーとなると月400~700ドル程度のサラリーを準備しなければならない、とソフト会社の社長さんは言っていました。
このあたりのプログラマーのキャリアパスとしては、まずダッカで経験を積んだ後、シンガポールへ行くというのが、モデルパターンのようです。現在のアジアの中心はシンガポールとなっています。
こちらは下町の街角となります。
東南アジアの普通の下町でよく見かけるようなお店屋さんです。