コラムと事例 -Column & Case Study-

日中交流セミナー2016 - IoT, AI, ビッグデータの時代に向けて-
グローバルビジネス研究会と中国対日情報サービス産業連盟(CJIA)の共催オープンセミナー「将来の日中協力に向けて」開催報告

(2017/01/05)

1月1日、このセミナーはオープン形式で行われ、中国対日情報サービス産業連盟(鐘明博理事長)から約20名、グローバルビジネス研究会メンバーを含むJISA会員企業から約40名が参加し、最近注目されているテーマについて、日中双方でどのような具体的な取組が行われているかを中心に情報共有が行われました。 タイトルには、今はやりのキーワードをずらっと並べた感があります.。IoTなどは、一昨年ぐらいには「バズワード」のように見られてもいましたが、今では将来必須のテクノロジーとして定着してきているように思えます。AIもビジネス上の都合からか、本来の人工知能だけでなく、インテリジェントな処理が出来るソフトウェア全般を指しているようにも聞こえますが、 やはり、IoTによって集めたビッグデータをAIで処理することによってソリューションを提供していく、という一つのスタイルができてきていると言えるのではないでしょうか。 今回は、ドイツのIndsutrie 4.0をまねて(失礼!)立案された中国の政策「中国製造2025」の話題もまじえつつ、日中双方の取組を紹介してみました。 日本側では富士通(株)グローバルサービスインテグレーション部門アジアビジネス本部胡斌さんによる「富士通と上海儀電の”中国製造2025”向けスマート製造プロジェクト」の紹介、北京索為系統技術(Sysware Technology)の王玉環 副総裁副総裁による「知識の自動化が工業技術の軟件化を押し進める」と題したハイアールとSyswareの共同による海?COSMO生産システムプロジェクトの紹介が行われました。 富士通と上海儀電の取組はかなり先行しており、それに比較するとSysware・ハイアールは対象範囲は大きいが進捗は今後にかかっているとの印象がありました。IoTデートウェイとか工業用ネットワークのミドルウェアに工業用アンドロイドを採用しようとしているという話しもありました。 続いてNTTデータ技術開発本部エボリューショナルITセンター米森力さん(Ph.D)からは同社が中国科学院と協力して中国吉林省吉林市並びに貴州省貴陽市で行ったAIに基づくスマート交通管制システムの実証実験の紹介があった。 最後は、中国Thunder SoftのVRシステムの受注開発事例も紹介されました。 特にデジタルビジネスや先進事例の取組においては「Fail Fast」とも言われるように、人に先駆けて取り組みを行い、どうするとうまくいかないかもいち早くつかんでおくことが次の成功のステップとして重要になるとの考え方があります。 日本では枯れた技術、問題のない技術を中心にシステム開発が行われる風土があります。これに対し中国ではトップの意思決定があれば、個人情報保護などの縛りもなくプロジェクトを進行できるなどの利点もあるようです。 大手企業を中心に、海外で先進的な取組を行い、こなれてきてから日本でも展開するという事例は増えそうな気もします。 よくも悪くも中国は先端システムの開発にチャレンジするには最適な都市とパートナーが多数ありそうだと感じたセミナーでした。