コラムと事例 -Column & Case Study-

上海でのITセミナー開催記
SCSK寄稿-初めて現地顧客向けセミナーを開催して理解できたこと 

(2013/10/30)

上海でのITセミナー開催記

SCSK株式会社・住商信息系統(上海)有限公司は、「グローバル企業に学ぶ!中国におけるIT戦略~IT戦略により企業価値を高め、市場競争力を獲得!~」と題し、2013年9月12日、上海にて、中国ITソリューションセミナーを開催しました。


当社(SCSK株式会社)が、中国現地法人(住商信息系統(上海)有限公司)を2007年に上海に設立してから、今年で7年目となりますが、現地上海でのセミナー開催は今回が初の試みでした。当社の海外ビジネスは、商社、製造業等海外38カ国200社以上の企業のシステム導入・サポートを基盤として、上海でもビジネスを拡大してきましたが、もっと当社中国現地法人を中国の皆様に知っていただき、また、中国に進出しご活躍されている皆様の声を直接聞きたいとの思いで、今回のセミナー開催の運びとなりました。

セミナー開催に当たって、日本でも中国でも、やはり一番重要なのが“集客”です。どれだけターゲットに合ったお客様にご来場いただけるか、セミナー運営担当としては、一番の悩みのタネです。日系企業本体の情報は、日本での各種マーケット情報より入手できますが、中国での日系企業様の企業情報は中々入手できません。中国の日系企業の方にどのような方法で、どのような機関を通じてアプローチすれば良いのか、この点に一番苦労しました。しかし、海外では、日本人のつながりが強く、日本人向け情報誌が充実しています。そこで、情報誌を運営している企業と連携し、日系企業へアプローチすることとしました。結果、100名を超えるお申し込みをいただき、また、当日も出席率90%と非常に高く、たくさんの方にセミナーに参加いただくことができました。日本で開催するセミナーの出席率と比較しても、この高い数値は、海外現地ならではの日系企業の強い「つながり」が表れだと言えます。


【セミナー会場の様子】

現地の駐在員の間でOお前が) K来て) Y(やってみろ)」との言葉がありますが、現地最前線で戦い苦楽を共にしている同志ならではの「共感し合えるが故の親密さ」があると感じました。このように日系企業の皆様が最前線で戦っている状況の中で、自社が自らホストと言う立場でセミナーを開催する、と言う点は、とても意義があると感じました。

セミナーに参加されたお客様からの反響はとても良く、特に基調講演でご登壇頂きました弁護士の方のお話(中国労働事情)は、お客様の高い関心を得られました。システム導入する際も重要となる「法制度」ですが、中国では、法制度が未整備な点が多く、“グレーゾーン”が大変広いそうです。中国で特に問題となる、「社内情報セキュリティ」、「労働契約」、「社内犯罪」についての現状とその対処法について実際に扱っている具体例を交え、ご紹介いただきました。

法制度が見えない点が多い為、日本からガバナンスを効かせたくても中々対応が難しい、ERPもグローバルで統一したいが、現地法制度と相性が良いもの選択せざるを得ない、と言う点もあるようです。システム面でいかに海外ビジネスをご支援できるか、SIerとして、私たちももっと考えなければならない点であると感じました。

今回のセミナー開催に当たり準備から当日の運営と当社のナショナルスタッフと一緒に進めてきました。20代~30代の中国人の方が中心ですが、とても親日です(日系企業に勤めていますし)。日本に出張で来た際には、「日本の物は、品質が良いので何でも買いたい!」と言っていました。先日、上海の世界広場にユニクロがオープンしましたが、日本よりも高価格設定で高品質を売りにする戦略を採っているそうです。グローバルビジネスを通じて、各業界・各社の戦略を垣間見ることも良い勉強になります。

 
【運営スタッフ】