2月18日(火)、15時よりJISA会議室で、新興市場に関するシンポジウム、続いて17時30分より同様にワークショップが開催されました。
「BOP」とは、 Base Of Pyramid の略で、最近ではUn-reached People と表現されることもあります。経済ピラミッドを構成する層の中で、世界人口の7割以上をしめるといわれる年収が低い(年収3,000ドル以下の)経済階層のことを言います。
当日は、バングラデシュを例に取り上げ、オープンな形でのディスカッションが行われました。参加者はJISA会員のほか、バングラデシュ政府・大使館、独立行政法人(JICA、JETRO、IPA)、学生、在日バングラデシュ人など約50名がシンポジウムに参加、うち半数はワークショップにも参加し、BOPビジネスについて考察・議論しました。
バングラデシュのBOPを取り上げた理由は、バングラデシュ政府が「ビジョン2021 - デジタル・バングラデシュ」政策を掲げ、2021年までの中所得国を目指していること、繊維・縫製業にかわる産業の柱としてICT産業を重視していること、BRICsの次を担う「Next 11」に選ばれたように人口(特に若年層人口)が多く経済成長の折には巨大な市場が見込まれること、これらを見越して中国や韓国企業の進出が目立っているが国民性として親日的であること、などが挙げられます。
まずシンポジウムでは、バングラデシュ情報通信省傘下のバングラデシュ・コンピュータ・カウンシル(BCC)に所属し、現在ODA技術プロジェクトとして実施中のITEE(情報処理技術者試験)管理能力向上プロジェクトダイレクターでもある アムザド・フセイン博士が基調講演を行いました。アムザドさんは、JISAでシンポジウムが開催されることを耳にし、これを機会にバングラデシュに対する理解を深めようと来日されました。
基調講演では、バングラデシュ政府の政策を紹介することとあわせ、携帯電話普及台数が1億2千万台にのぼること、ICT関連学科を卒業する大学生が15,000人)(うちソフトウェア専攻は約5,000人)にのぼること、コミュニティ(日本でいう町村)ごとにe-コミュニケーションセンターを設け、都市部の総合情報センターとネットワーク化することによってITを使った均衡ある発展につなげようとしていることなどが紹介されました。