特集 -Special-

新興市場(BOP)ビジネス・シンポジウム(その3)
バングラデシュの社会情報基盤(SII)を参考として-
パネルディスカッションの概要

(2014/03/20)

新興市場(BOP)ビジネス・シンポジウム(その3)シンポジウム会場の様子
基調講演に続き、パネルディスカッションを行いました。テーマは、日本のITサービス・ソフトウェア産業とバングラデシュとの間でどのような協力が成り立つか、です。

モデレータは基調講演をされたアシルさん、パネリストは、BCCアムザドさんに加え、長く日本でソフトウェア関係の仕事をしているカビ-ルさん((株)JTS)、ムキトさん(マスワークス)とJICA専門家でバングラデシュに駐在している庄子明大さんでした。

アムザドさんからは、情報処理技術者試験の普及とソフトウェア産業のレベルアップを目指したITEEプロジェクト(情報処理技術者試験管理能力向上プロジェクト)を現在実施しているので、ITEEで資格をとった人がバングラデシュでプロジェクトを実施する時のリソースとして活用できるという紹介がありました。バングラデシュには、フリーランスのプログラマーが多い、という紹介もありました。

またコミュニティに設置されているコミュニケーションセンターが情報化に重要な役割を果たすという情報も共有されました。 一方でカビールさんとムキトさんからはオフショアでうまくいかなかった(仕様変更によるコスト負担の問題がおきた)ことがある、意思決定が遅くなかなかビジネスにならない、などの日本とのビジネスでの体験も紹介されました。これにはファシリテートしている東川さんから「バングラデシュとの間にだけ起こる問題ではなく、日本企業のやり方、日本的ビジネスの進め方に共通していえる問題であり、日本サイドでの注意が必要」というコメントもありました。

ムキトさんからは、バングラデシュでは女性の社会進出がまだ少ない中、IT分野に優秀な女性もいるので、彼女らの活躍の場を生かしていくことが必要とのコメントもありました。大学卒業者の3割が女性とのことですが、そのほとんどは海外に出て活躍しており、国内での活躍の場が限られている、との現実も共有されました。 JICAの庄子さんからは、バングラデシュでJICAが行っている様々な社会開発プログラムの状況について簡単な報告が行われた後、ITを使ってバングラデシュの経済成長に貢献し、市場プレゼンスを高めていく方法があるのではないか、とのコメントがありました。

 どの場合でも、よくコミュニケーションをとり、文化やビジネスの違いを認識した上で相互理解を深めていくことが重要ということでシンポジウムを締めくくりました。
左から、東川さん(ファシリテータ)、アシル先生(モデレータ)、カビールさん左から、東川さん(ファシリテータ)、アシル先生(モデレータ)、カビールさん
右から庄子さん、アムザドさん、、ムキトさん右から庄子さん、アムザドさん、、ムキトさん
コミュニティのハブとなるe-コミュニケーションセンターコミュニティのハブとなるe-コミュニケーションセンター